Investor Relations業績ハイライト(2024年度)

経営成績

 

(1) 2024年度の日本経済は、雇用・所得環境の改善および堅調な企業収益を背景に、一部に足踏みがみられるものの緩やかな回復基調となりました。一方で、中東やウクライナにおける地政学的緊張の継続、円安に起因する物価上昇、世界主要国における政権交代等により、景気の先行きについては予断を許さない状況が続きました。
国内IT投資については、IT人材の確保が困難な中、生成AI技術の活用需要やデジタルトランスフォーメーション(DX)需要を中心に全体としては概ね堅調に推移しましたが、先行きの不安定要素への警戒もあって、投資需要には業種、企業別にばらつきも見られました。このような環境下、当社グループは長期・優良案件の確保と着実な遂行に努めるとともに、将来の成長を見据え、以下の長期戦略施策を推進いたしました。

① 市場系システム開発専門会社の連結子会社化
市場系フロント・ミドルシステムの開発に特化した株式会社エフの連結子会社化により、債券・デリバティブなどの専門領域に熟知した人材が増強され、証券・銀行領域におけるグループ提案力を強化しました。

② 航空・宇宙・防衛領域への取り組み強化
連結子会社株式会社イー・アイ・ソルが、航空・宇宙・防衛領域での計測需要の高まりに対応し、無線技術などを活用した実績作りを推進しました。

③ ASEANマーケットの拡大
連結子会社株式会社ノイマンが、ベトナム現地法人NEUMANN VIETNAM CO.,LTD.を設立し、旺盛な免許取得需要が見込まれるベトナムの自動車教習所向けにシステム販売および提供が可能となりました。

④ 生成AI技術を活用したエンジニア支援サービス「CoBrain」の正式リリース
連結子会社株式会社エクスモーションにおいて、生成AIを活用した要件定義プロセスのエンジニア支援サービス「CoBrain」の提供を開始しました。

⑤ LLMを活用した社内向けAIシステム「SOLXYZ Assistant」を開発
最新のAI技術と情報検索技術を組み合わせた社内向けAIシステム「SOLXYZ Assistant」を開発し、これを活用することで、システム開発におけるコーディング品質の向上とレビュー効率化による開発生産性の向上、技術文書作成の工程支援などにより、トータルでの開発工数の削減が期待できます。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は、前年度比1.0%増の16,041百万円となりました。セグメント別の外部顧客への売上高の状況は、次の通りです。
・ソフトウェア開発事業は、ネットバンクを中心に銀行向け売上が増加しましたが、クレジット向け売上が減少したことから、同1.6%減の11,787百万円となりました。
・コンサルティング事業は、自動車業界におけるCASE需要等で好調であったエッジコンピューティング系(組込系)において、コンサルタントの増員が前倒しで推進できた事に加え、要員の最適配置が単価アップに繋がり、同12.9%増の1,443百万円となりました。
・ソリューション事業は、エッジコンピューティング系(組込系)開発業務における航空・宇宙・防衛領域を中心に大型案件の開発需要の取り込み、クラウドサービス業務における販売パートナー売上などの増加が寄与した結果、同7.2%増の2,810百万円となりました。

損益面につきましては、ソフトウェア開発事業におけるベースアップ実施や新入社員増加に伴う原価人件費増の影響、ソリューション事業におけるクラウドサービス業務へのソフトウェア減価償却負担増が影響した結果、売上総利益は同1.3%減の3,707百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、人件費およびM&A取得費用、のれん償却などの増加により、同6.7%増の2,786百万円となり、営業利益は同19.6%減の920百万円、経常利益は同20.0%減の962百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、同25.4%減の562百万円となりました。

今後の見通し

2024年度の連結業績は、第2四半期連結累計期間において、売上高8,200百万円、営業利益500百万円、経常利益500百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益240百万円、
通期では、売上高16,200百万円、営業利益1,000百万円、経常利益1,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益500百万円を見込みます。
株主に対する2024年12月期の利益配当金につきましては、第2四半期末は内部留保に充てることとし、期末につきましては普通配当として、1株につき12円とする予定です。

資産・負債・資本の状況

資産

当連結会計年度末における流動資産は8,131百万円となり、前連結会計年度末に比べ339百万円増加いたしました。これは主に、売掛金および契約資産が増加したことによるものであります。
固定資産は4,139百万円となり、前連結会計年度末に比べ1百万円増加いたしました。これは主に、連結子会社の取得によりのれんが増加したほか、主に上場株式の時価評価による投資有価証券の減少や繰延税金資産の増加によるものであります。 この結果、総資産は12,270百万円となり、前連結会計年度末に比べ341百万円増加いたしました。

負債

当連結会計年度末における流動負債は3,034百万円となり、前連結会計年度末に比べ172百万円増加いたしました。これは主に、金融機関からの資金調達により短期借入金が増加したことによるものであります。
固定負債は729百万円となり、前連結会計年度末に比べ96百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金が減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は3,764百万円となり、前連結会計年度末に比べ76百万円増加いたしました。

純資産

当連結会計年度末における純資産合計は8,506百万円となり、前連結会計年度末に比べ264百万円増加いたしました。これは主に、当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は62.4%(前連結会計年度末は62.3%)となりました。

キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ143百万円減少し、当連結会計年度末残高は4,725百万円となりました。主な要因は次のとおりです。

営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は500百万円(前連結会計年度は1,386百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益および減価償却費によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における投資活動の結果支出した資金は493百万円(前連結会計年度は534百万円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出および連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における財務活動の結果支出した資金は149百万円(前連結会計年度は675百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出および配当金の支払額によるものであります。

業績の推移

主要な経営指標等の推移(連結)

決算年次 2020年
12月期
2021年
12月期
2022年
12月期
2023年
12月期
2024年
12月期
売上高(百万円) 13,186 13,922 13,986 15,883 16,041
経常利益(百万円) 999 1,123 1,056 1,202 962
当期純利益(百万円) 593 1,060 564 753 562
純資産額(百万円) 6,815 7,522 7,817 8,241 8,506
総資産額(百万円) 11,402 11,272 11,455 11,929 12,270
1株当たり純資産額(円) 254 279 288 305 314
1株当たり当期純利益(円) 24.78 43.69 23.21 30.99 23.12
自己資本比率(%) 53.5 60.1 61.2 62.3 62.4
自己資本利益率(%) 10.0 16.5 8.2 10.4 7.5
株価収益率(倍) 19.7 10.4 15.4 13.0 14.0
配当性向(%) 34.3 27.5 51.7 38.7 51.9
従業員数(名) 755 777 786 791 852

(注)過去の会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、「1株当たり純資産額」及び「1株当たり当期純利益」を算定しております。

主要な経営指標等の推移(単体)

決算年次 2020年
12月期
2021年
12月期
2022年
12月期
2023年
12月期
2024年
12月期
売上高(百万円) 9,067 9,601 9,718 10,862 10,238
経常利益(百万円) 772 936 636 802 371
当期純利益(百万円) 537 733 378 619 226
資本金(百万円) 1,494 1,494 1,494 1,494 1,494
発行済株式総数(株) 13,410,297 26,820,594 26,820,594 26,820,594 26,820,594
純資産額(百万円) 4,266 4,603 4,722 5,005 4,903
総資産額(百万円) 7,899 7,852 7,694 8,055 7,919
1株当たり純資産額(円) 177 189 194 205 201
1株当たり配当額(円) 9 12 12 12 12
1株当たり当期純利益(円) 22.44 30.22 15.55 25.46 9.32
自己資本比率(%) 54.0 58.6 61.4 62.1 61.9
自己資本利益率(%) 13.0 16.5 8.1 12.7 4.6
従業員数(名) 469 481 488 485 498

(注)過去の会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、「1株当たり純資産額」、「1株当たり配当額」及び「1株当たり当期純利益」を算定しております。

    
ページトップ